FMEAのFailure Modeとは日本語だと「故障モード」と訳されていることが多いです。なぜ、Failure「故障」ではなくFailure Mode「故障モード」なのでしょうか?
これは分析の手順をしめしています。
故障やトラブルから、なぜその故障が起こるかを考えて手を打つと、抜け漏れが発生する可能性があるからです。単純なものであれば「見落としていた、それを対策しておけば安心だ」となるかもしれませんが、対策が問題を起こすこともあります。
例えば、屋外の階段で「転んで怪我をした」ので手すりをつけたとします。でも、階段で転びやすかったのは、踏み板部分が滑りやすくなっていたかもしれませんし、転んだ人の靴が滑りやすかったのかもしれません。さらに、手すりをつけたら、幼児が頭をぶつけて怪我をした、頭がはさまってレスキューを呼ぶことになるかもしれません。幼児の頭がはさまって危険になるような隙間をあけるのはプロの仕事とは言えませんね。ほとんどの場合は過去の経験でプロが寸法や高さ、形状を決めているので問題が起こらないだけでしょう。
これをトラブルからではなく、状態の変化などを網羅的に取り上げて、それで起こるトラブルを評価するというボトムアップ的な手法がFMEAです。階段であれば「転んで怪我をした」という事故から対策するのではなく、「雨が降った」「踏み板が摩耗した」「踏み板の塗装が剥げた」などの状態の変化等(故障モード)を取り上げて、起こるトラブル/事故(故障)を抽出、評価して、対策をするという進め方になります。
ここで重要になるのは、「故障モード」と「故障」の違いを理解することです。例えば台所の換気扇で「異音がしている」は故障、「ベアリングが摩耗している」が故障モードです。ベアリングが摩耗しているだけでは「故障」とは言えません。逆にベアリングが摩耗したら何が起こるかを取り上げてどんな故障があるかを洗い出して評価して必要があれば対策をする。それがFMEA、換気扇のベアリングが摩耗すると異音がするかもしれませんし、負荷が増えてモーターに過電流が流れ過熱発煙するかもしれません。こびりついた油に引火するかもしれません。それならモーターに過電流が流れて過熱しないようにFUSEや温度FUSEを取り付けておこう、料理で蒸発して換気扇に流れてきた油がモーター部分に入り込まない構造にしようという設計をすることになります。
つづく
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