2019年6月9日日曜日

シーサイドラインの逆走事故

横浜市の新交通システム「シーサイドライン」の無人運転逆走事故、報道によると「回路の一本が断線していたために発生した。」ということです。人命を預かるようなシステムで、断線というたった一つの故障で大事故になるような設計は通常では考えられないので、何かの間違いでしょうか?
通常もし、断線でモーターが逆転するようなモードがあれば、別の系統でブレーキがかかるようにしておくべきで、家電製品でも感電や火災の危険があるような個所は一つの故障(1フェイル)で感電や火災にならないように設計されているのが普通です。電車の様なシステムで1フェイルで重大事故は考えられません。

列車で想定される重大事故は、
・衝突(いろいろあります)
・逆走
・異常な急ブレーキ
・スピード超過
・脱線
・ドアが開いたままの走行
・窓ガラスの破損
・発煙/発火
・発煙発火による有毒ガス
・異常な振動や衝撃
・大音響による耳への被害
・漏電、感電
・アーク放電による目の障害
・部品の落下
・線路上のものの跳ね上げ
・落下物との衝突
など、リストアップすることはそれほど難しくないでしょう。

まずは、それぞれの事故に対して、1フェイル、たった一つの故障で事故につながらないか、事故につながりそうなものがあれば手を打つことができる。想定外ではなく、想定できることだと思います。
横浜市には、今回の事故を機会にインフラ関係の総点検をお願いした。

さらに、出来るならば、上記のような想定される事故を取り上げて対策するトップダウン型の総点検だけではなく、いわゆるFMEA手法等で故障モードからの見直しも実施してほしいと思いました。FMEAは、このボルトが緩んだら何が起こるか?この配線が切れたら何が起こるか?という手法です。そのうちFMEAについても書きたいと思います。


関連記事
https://www.kanaloco.jp/article/entry-171795.html
https://www.asahi.com/articles/ASM663H72M66ULOB00J.html


2019年4月27日土曜日

現場での火災防止

4月16日の朝、ノートルダム大聖堂の火災という残念なニュースが入ってきた。
原因はまだ不明だが、工事中だったという話だ。
過去にも建造中の客船が火災になったり、建設中や補修中の建物や道路で火災が発生したりしている。どうしたら出火を防ぐことができるだろうか?
いくつか原因を書いてみますので、参考にしてください。

【溶接による出火】
溶接で近くに可燃物があり燃えたという話はよくある。基本は現場の整理整頓、それからよくある誤解が、難燃性と不燃性、難燃性は着火しにくいだけで大きな熱が加われば燃え出す。溶接している場所の裏側に可燃物がたくさんあったなどいう話もある。十分注意するしかないだろう。
忘れやすいのは、電気溶接の場合のグランドのクランプ、接触不良があると火花が飛んだり接触部分が過熱して、可燃物があれば燃え出すこともある。接触不良は溶接する金属に塗料なので被覆があったり、サビていたりする場合。または、うっかり溶接部とグランドのクランプ部分との間がネジ一本でしかつながっていないため、電流が流れたとたんにネジが加熱するということもある。電気溶接はグランドのとりかた、電流の流れるルートなどを良く確認する必要がある。

【グラインダーの火花】
溶接部などを綺麗に整えるためグラインダーを使う事がある。現場でカッターで鋼材を切断する事もある。そして、火花の飛んで行く先に可燃性の物があると着火する可能性がある。試しに油の染み込んだぼろ布を火花の飛ぶ方向に置いて試したところ簡単に火がついた。麻袋なども着火する。グラインダーを使用する場所には可燃物を持ち込まない。または、不燃物で覆うなどが必要だ。

【電気による出火】
工場でも、工事現場でも、大電流の工具などを使う時に、アウトレット(コンセント)部分にプラグを差しても、ゆるゆるの場合がある。接触点が少なく抵抗を持ってしまうと、そこで発熱する。ヘアドライヤーなど使い終わった直後にプラグを触ると熱くなっている経験がある人も多いでしょう。小さな抵抗でも大電流が流れれば発熱も大きくなります。ねじ止めしている端子なども同様。仮設の電気配線が端子のねじ締め忘れで、その部分が発熱する場合もあるので、配線は特に端子部分を念入りにチェックすべきである。
有名な現象としてあるのは、プラグの端子間に埃がたまったりして起こるトラッキング現象、特に埃が多いところ、木工や木造建築現場などでは、おが屑でコンセントが埋もれていたりして、湿度の多い梅雨の時期に電流が流れて発火する火災も起こっているので要注意です。最近は少ないが白熱電球など熱の発生が多い電球に可燃物が触れて発火する事故もある。発熱しそうな部分、接触不良を起こしそうな部分、その周囲や直下は特に可燃物が無いことをよく確かめておく必要があります。

【ガソリン】
電源が無い現場で、ガソリンエンジンの発電機を使うことがありますが、エンジンを止めずに給油したり、ガソリンをポリタンクで持ち歩足り、中にはタバコを吸いながら給油作業する強者もいますが、静電気でも発火する可能性があるので、十分注意が必要です。その他、灯油、塗装のシンナーなど危険物といわれるものも多いので管理を怠ってはいけません。

【自然発火】
油の染み込んだウエス(ぼろ布)や段ボールなどを積み重ねて置いたりすると酸化熱で発火することがあります。工場などで使用済のウエスなどは放置すると禁物、またこれらのウエスはグラインターの火花やタバコなどでも着火しやすいので注意が必要です。

【タバコ】
工事現場でのタバコのポイ捨て、乾燥している時期や、塗料などの可燃物があるところでは、うっかり火災の原因になることがありそうです。

まとめると、火を使うもの、電気を使うもの、可燃物、埃がたまるところ、手抜きなど、基本的な注意を怠っておこることがほとんどです。
今からでも、今日からでも遅くありません。事故が起こる前に、まずは、身近なところからチェックしよう。


2018年3月撮影(寺院の中)




技術士 一次試験

技術士というと、何だか難しい資格のように感じます。
一次試験と二次試験があり、二次試験で合格するのは確かに技術系の資格の中では、難関だと思われます。実務経験が無いと二次試験に合格するのは難しそうです。

でも、一次試験は難しくありません。大卒レベルと言われていますが、一次試験に限って言えば合格率も高く、他の技術系の試験と比較しても、比較的やさしい試験だと思います。

大卒でも理系ではない人、大卒ではない人など、技術士補になれる資格が取得できますし、技術系の大卒レベルを客観的に認めてもらえる手段ですので、転職や就職等にも有利かもしれません。

試験は、基礎科目、適正科目、専門科目があります。
すべてマークシートの5択試験ですが、適正科目以外は全て回答する必要がありません。多くの試験が60%以上の正解で合格としていますが、50%が合格ラインです。

基礎科目と適正科目は、常識的な問題を解くことができれば良いので、中学生でも参考書を十分読んでおけば合格できると思われます。(最年少は8歳で合格した人がいるそうです。)

基礎科目は5種類の郡に分かれていて、各6問中3問を回答します。
1郡 設計・計画に関するもの
2郡 情報・倫理に関するもの
3郡 解析に関するもの
4郡 材料・化学・バイオに関するもの
5郡 環境・エネルギーに関するもの

各郡でそれぞれ6問ありますが、この中から答えられそうな3問を選んで回答します。
(各郡3問を超えて答えると失格です。)
全部で30問質問され、15問回答すれば良く、50%正解なら合格ですから、30問中8問正解すれば合格ですので、不得意なところは捨てても大丈夫です。

適正科目は15問出題されて8問正解する必要がありますが、出題範囲が限られているので、問題集で練習しておけば大丈夫でしょう。

専門科目は20の部門に分かれています。機械、船舶海洋、航空宇宙、電気電子、化学、繊維、金属、資源工学、建設、上下水道、衛生工学、農業、森林、水産、経営工学、情報工学、応用理学、生物工学、環境、原子力放射線があります。
専門科目の試験は、35問出題され25問解答します。やはり、25問を超えて解答すると失格です。35問中回答できそうな問題から25問答えて、その半分、13問正解すれば合格です。運がよければ、10問がわかれば、5択なので残りの15問はランダムに解答しても、確率的には3問は正解になる可能性があります。
2時間の試験ですが、35問全てに目を通して解答を選ぶと時間が足りなくなりますので、答えられそうもない問題はどんどんパスしましょう。また、後半に比較的簡単な問題が含まれていたりしますので、後ろから試験を解答していっても良いかもしれません。
試験終了の少し前には、26問以上解答していないことを確認しましょう。

過去問を見ると、比較的、教科書に出てくるような基礎的な問題が多く出題されています。専門書などを何度か読んでおけば、難しい問題は少ないと思います。
(電験三種と比較して簡単な問題が多く、50%正解で合格です。)

理科系出身ではない場合は、経営工学などが比較的やさしいと思います。特にメーカー勤務の方などには馴染みがある設問も多いので、過去問をいきなりやってみても、合格点に達することが出来る人も多いと思います。

試験の情報や過去問は日本技術士会のウエブページに出ています。
http://www.engineer.or.jp/c_categories/index02009.html

技術士と聞いて最初からビビってしまわず、技術士補になれる一次試験を積極的に受験してはいかがでしょうか?

以上2014年時点の情報です。